オリジナルストーリータイトル



「クリスマスケーキ」 文:オスカー



イヴの日の午後、MAMIは「甘党ラパン」のキッチンにいました。
小さい頃からケーキ屋さんを夢見ていたMAMIは、高校に入って
初めての冬休みに、街で評判の、この店のクリスマスケーキ作りの
アルバイトをしていたのでした。

23日は朝8時から夜9時まで、立ちっぱなしで働き詰めでした。
イチゴを洗ったり、次から次へとやってくる調理器具を洗ったり、
生クリームを泡立てたり…
楽しみにしていた飾り付けは中々やらせてもらえませんでした。

24日も同じ事の繰り返し、ショーウインドウの中で綺麗に飾られている
ケーキ達を作る事を夢見ていた MAMIは当てが外れてちょっとがっかりしていました。

西の空が赤く染まり始めた頃やっと仕事が終わりました。
クリスマスケーキの販売はイヴまでなので、今日は早めに仕事が終わったのでした。
MAMIの手にはケーキの箱がひとつ…
作りすぎてデコレートしてもらえなかったかわいそうなケーキを、
どうせ捨ててしまうのだから…、と店長が MAMI達にくれたものでした。

お店を出ると店内はクリスマスケーキを買いに来たお客さんでいっぱいでした。
ケーキの箱を持って出てくる家族連れや、カップル達はとても幸せそうな顔をしていました。
「私たちの作ったケーキがあの人達を幸せな気分にする事が出来るのだわ。
来年もまたやってみようかしら…」
そんなことを考えながら歩いていると雪が降ってきました。
どうやら今夜はホワイトクリスマスになりそうです。
傘を持っていなかった MAMIが、「いけない、いそがなきゃ」と足を速めた時、
箱が少し重くなったような気がしました。

やがて家に着き、「ただいま。お母さん。今日、店長からケーキをもらったの。残り物だから
デコレーションはしていないんだけど…」と、箱を開けると中からはサンタとツリーで飾られた
お店のショーウインドウの中にあるのにも負けないくらい綺麗なケーキが出てきました。
頑張りやさんの MAMI達へ、店長からのごほうびだったのでしょうか。
それとも・・



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