
「ダイアモンドダスト」 文:オスカー
今年の冬休みもMAMIは「甘党ラパン」のキッチンにいました。
お昼のワイドショーで「今シーズンは“おうちDEクリスマス”が流行・・」と
言っていたせいか、家庭向きの比較的大きなケーキの注文が増えていました。
MAMIは、バイト2年目だったので、ケーキの下塗りをさせてもらうことができました。
華やかなデコレーションで隠れてしまうとはいえ、大切な仕事です。
スポンジを2つに切ってシロップを塗り、イチゴを並べてクリームを塗り、
スポンジを重ね、クリームで覆う・・
単調な仕事でしたが、1つ1つ丁寧に仕上げていきました。
お店の方からは、親子連れのお客さんが多いのか子供たちの喜ぶ声が聞こえてきます。
「大きいね!スゴイね!」、「このサンタさん、カワイイね!」、「おいしそうだね!」
そしてその声は、彼らがお店の外に出てからも、聞こえてきていました。
その日の帰り道、MAMIたちが歩いていると、頬に何かがあたりました。
「雪かしら・・」空を見上げてみましたが、雲一つない星空でした。
しばらくすると、また何かが頬にあたりました。
そして子供たちのはしゃぐ声が聞こえたような気がしました。
「もしかしたら・・」と耳を澄ませてみると・・
その声は、キラキラと舞っている小さな小さな氷の粒から聞こえてくるようでした。
あまりの寒さに子供たちの声が、ダイアモンドダストの中に閉じ込められて、
頬にあたって溶けると、その声が聞こえてくるのでした。
子供たちの声に包まれてMAMIたちは暖かな気持ちで家路をいそぎました。
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